人生の転機となった10年前 -軟骨無形成症の我が子と歩む新たな物語 Since May 13th 2013-

人生の転機となった10年前 -軟骨無形成症の我が子と歩む新たな物語 Since May 13th 2013-

人には自分のだけの独自のストーリーがあるはずです。そのストーリーは、人生の重要な動機や転機を目の当たりにすることで、時には大きな転調を迎えるものと実感します。

私にとって2人の子ども誕生は、いずれもNPOへの転身に繋がった重要な動機であり転記となりました。そう、10年前の今日、軟骨無形成症をもった第二子が誕生したのです。私は、誕生の報を職場で受けたときの歓喜、そして7日後に訪れる運命の診断結果を聞いたときの瞬間を生涯忘れ事はないでしょう。人生を180℃変える新たな物語が始まりました。

10歳を迎えたこれからの彼のライフステージは、さらに困難な、いばらの道を歩むことになるでしょう。しかしながら、この10年で新薬の研究と同じく、日本でもD&Iに関する進展と軟骨無形成症のインフルエンサーが台頭してきました。我が子が、その尊敬すべきインフルエンサーの横に並べるよう、次の10年を我が子と一緒にレールのない道を一緒に歩んでいきたいと思うものです。

紀元前2000年頃のエジプト文明より確認されている1この軟骨無形成症の長い歴史において、治療薬が開発され世界の様々な国で上市を実現し、社会においては一部の領域でD&Iが急速に進展するこの時期に、軟骨無形成症を有する我が子を持てたことはまさに奇跡であると考えます。

新しい新薬が次々に開発される中で、軟骨無形成症の以外の小人症にも適応が目指される今般、もしかしたら100年後には、元パラリンピアンのEllie Simmondsが警鐘を鳴らすように小人症の人がいない世界が到来してしまうかもしれません。2

そんなとき、この時代に薬の恩恵を受ける私たちは何をしなければならないか。私は我が子と歩んだこの10年間を糧に、小人症当事者の尊厳を失うよう、GTAが何をできるか、何をしなければならないか問い直していきたいと思います。

Reference
1 歴史と芸術における軟骨無形成症 / Achondroplasia in history and art – GLORY TO ACHONDROPLASIA (glory-to-achondroplasia.com)
2 Ellie Simmonds: A World Without Dwarfism? – documentary explores views on new drug – BBC Sport

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