先日ご紹介した「日本国内のフェーズ3実施に向けて」の補足として、ドラッグラグを交えご紹介します。
日本でいうドラッグラグとは、海外で既にその使用が承認されている薬剤が、国内では使用が承認されていないこと、また規制当局による承認の遅れをいいます。
これについて、BMN111(vosoritide)を巡る日本の動きを例にみていきます。考えられる方向性は次の3つです。
1.国際共同治験に参加
従前のフェーズ2実施国(米・英・豪)と枠組みに日本も参加する
米国では、早ければ今年の暮れからフェーズ3の募集が開始されるため、日本もそれと、同時期もしくは時期的に大きな差分がない範囲での募集が見込まれる
【ドラッグラグ:ほぼ無】
2.国際共同治験に参加しない
①ブリッジングスタディ*を実施
海外でのデータを、日本のデータとして活用するために試験を実施
【ドラッグラグ:小】
②ブリッジングスタティが利用しない、もしくは利用できない
自国独自に第3相治験(フェーズ3)を実施する
【ドラッグラグ:大】
③治験を行わず(①・②以外)
治験を行わない=原則として、国内では、投薬を販売しない
厚労省(2006)の資料では、この1,2の流れがわかりやすく図示されています。これによると、一早く、国内で新薬の提供を実現するには、国際共同治験に参加することが重要になってくることがわかります。
しかし、ある方面によると、日本では2の②の可能性が指摘されてます。その場合、ドラッグラグは避けられない状況となります。
過去のデータですが、実際、日本の新薬の国内申請においては、かなりの長期間に渡るドラッグラグが発生していたケースもありました。
既にご紹介したとおり、バイオリンは、日本という市場開拓に向け、動いています。ここからは、私の憶測なのですが、次の点から、日本は、bmn111の治験に果たして投資できるか、素人目に厳しい展開が予想されます。
ⅰ フェーズ1,2の時点で、日本は、国際共同治験に参加していない
ⅱ ips細胞によるスタチンの有効性検証に日本政府の後押しがある
現在、日本のドラッグラグは改善傾向にあるとされますが、他国で新薬が提供されるなか、我が子の成長期に、1年・2年待つことは少々複雑な思いです。
さあ、どうなるか。この数か月で方向性が見えるはずです。
(Japanese only ; this article is Japanese domestic matter, thank you)
こんばんは。同病に対する異なる薬事が競合するというか、色々な要因に作用するのかそれこそ素人の私には分かりませんが。なんというか自分が子供の頃はほぼ骨延長1択だったので やるかやらないかでしたが、現在は進化の踊り場にいるような感じで子供やその親御さんには悩ましい状況ですかね。時代は動いてるが故に悩ましい気がします。
うららさん、こんばんは!お久しぶりです。
(私こそ素人ですので、競合するかもというのは全くの憶測なんです。)
いずれも、あくまで希望の段階だと思いますが、選択肢が見え隠れするだけでも、私たちは本当に恵まれていると感じます。
5年・10年・15年後でも新薬にアクセスできた暁には、栄護には、社会に還元できる人材になってもらいたいと思うものです。