能登半島地震より1年を経過した2025年1月。国内に限っては大災害に見舞われることなく年初をスタートできたものでしょうか。引き続き能登半島地震や奥能登豪雨により被災した方に心からお悔やみ申し上げるとともに、軟骨無形成症のコミュニティとして日々の困難に奮闘する私たちを取り巻く新たな2025年を歩むことに意気込むものです。
2024年を振り返る
2月には、開発中のinfigratinibにおけるBridgeBioと協和キリンの業務提携におけるプレスリリースに、新薬への期待を述べることからGTAの活動はスタートしました。
軟骨無形成症のご家族や当事者にとってのイベントに関しては、オンライン1回、対面6回の計7回のイベントを開催したものです。
3月2日(土)にドワーフサッカー(英名:Dwarf Soccer)の第1回ワールドカップ(正式名称:Federación Internacional de Futbol Talla Baja)に参加した報告会をウェビナーで行い、多くの参加者にアルゼンチンのブエノスアイレスで繰り広げられた貴重な経験を報告しました。私はこのウェビナーを能登支援の晩に行いました。2024年は、1年を通じてコロナ前の同様の水準に戻ったことから、オンラインでのイベントはこの1回に留まったものです。
対面のイベントにおいては、3月31日の一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が主催する インクルーシブイベント“WarmBlue2024キャンペーン”への参加を皮切りに、春のオープンピクニック、ひいては日体大 山手勇一さん企画イベントの低身長者を対象とした砲丸投エキシビションに2度参加し、2度目の開催時には、2022年にこびとプロレスをご一緒したプリティ太田さんとの再会を果たすと共に、大きく一般紙に取り上げられることになりました。秋にはオープンピクニックと合わせて、パラ卓球の阿部隼万選手の勇姿を観戦することができました。10月25日(金)の世界小人症啓発デーにおいては大河ドラマ“光る君へ”の役付俳優として活躍中のDAIKIさんのワークショップを支援しました。


協力団体の皆様、ご参加くださった皆様には心より深く感謝申し上げます。
新しい幕開けとなる2025年
日本の軟骨無形成症を巡る歴史上の転換点となることを目指した2024年に水面下で多くの進展がありました。2025年のなるべく早いタイミングで大きな報告ができればと考えています。アルゼンチンで経験した学びから、ドワーフサッカーを日本で盛り上げていく大きな機運を迎えるというものです。

国際的な障がい者サッカー連盟「Para Football」においては、ブラインドサッカー、メンタルヘルスサッカー、ダウン症サッカーといった12の公式種目が定義されています。日本では、2023年1月現在7種目が存在するも、こびとサッカーを広める団体はなく種目として実践することができません。一方で、南米では、10年以上の歴史を持っています。そのため、選出は健常者の国を代表するチームのユニフォームと同じユニフォームを着用して、自国政府やサッカー協会のバックアップのもと、こびとサッカーの専任組織や選手の育成が進展し、一定の地位を確立してきた背景があります。
先のこびとサッカーワールドカップでは、南米選手の活躍は目を見張るものがあり、彼らの自信や自己肯定感に繋がっていることを感じます。日本においても軟骨無形成症をはじめとした小人症の当事者や支援団体が地位を確立していくことは、このコミュニティの子どもたちの未来にとって必要不可欠な試みと考えます。

さらに多くは語れないものの進展する様々な治療薬において日本国内でも新しい第一歩が踏み出されることも期待されるものです。
2025年は、まさにこうした新しい幕開けを予感するものです。
終わりに
以上、GTAの2024年の取り組みと2025年の幕開けについて述べてまいりました。引き続き、軟骨無形成症を巡る当事者やご家族の皆様には、この特有の身体を巡る厳しい環境や難局に怯むことなく、積極的に何かに挑戦してほしい、と願っています。
本年の干支は「巳(み)」です。再生と復活、神秘と知恵、変容といったことから、蛇が皮を脱ぎ捨てて生まれ変わるように、巳年は新しい始まりや変化を意味するといわれます。
皆さんと共に、重要な転換点であった2024年を経て始まる2025年が、私たち軟骨無形成症のコミュニティとそれをとりまく社会にとって斬新な1年となることを心から祈念しています。
Representative, GLORY TO ACHONDROPLASIA
Eihaku Itooka