”軟骨無形成症の人生に栄光を感じるために”をモットーに立ち上げたGLORY TO ACHONDROPLASIA （GTA）は、新薬の開発に関する情報発信に一定の区切りを付け、インクルーシブな機会創出の方向性へと大きく舵を切っています。
一方で、以外にも早期にインクルーシブとの接点はありました。それは2014年アメリカ・サンディエゴで開催されたLittle People of Americaの年次会合（※1）でのファッションナイトおよびスピーカーズナイト、国内では2015年「世の中全ての人へ」と健常者も障害者も分け隔てなく着れるデザインの服のブランドtenboが手掛ける東京コレクションに後藤仁美さんが出演したこと（※2）を取り上げたことに端を発信します。そのご縁から2016年にインターナショナルドワーフファッションショーから一通のメッセージを受領し、それが東京でのインターナショナルドワーフファッションショー開催（※３）に向けた依頼であったことから後藤仁美さんを通じて土井唯菜さん、ちびもえこさん、DAIKIさんなど今ではインフルエンサーとして活躍する軟骨無形成症の先輩方とお会いできたものでした。
約10年の時を経た2025年9月27日（土）は今期最高の大混雑の大阪関西万博にて、我が子（EIGO）が、一般社団法人スポーツ・オブ・ハート（代表理事：廣道 純（シドニー・アテネパラ連続メダリスト）））が主催する多様性を体験するステージイベントで、tenboが手掛ける障がい者モデルのファッションショーに軟骨無形成症のモデルとして出演しました。2025年3月、EIGOはドワーフサッカーボーイの愛称で ココダイバーシティ・エンターテイメントにタレント入りしておりました。そして初めてのオーディションで、念願のこのファッションショーに出演する機会を得ました。
終戦80年を踏まえた平和へのメッセージをコンセプトとする本ファッションショーにおいて、EIGOの考える平和は、何事にも制限なくチャレンジできる世界を掲げたものです。これを受けてtenbo 代表の鶴田能史さんは、EIGOの衣装を”Green Gargen”とし緑を基調に沢山の満開の花をつけてデザインしてくださいました。
高倍率なオーディションを突破し、この場に立てたかった同志の思いもくみ取りながら挑んだランウェイを終えて、EIGOは次のようにコメントしています。
”これまで、どれだけまわりのみんなが軟骨無形成症を個性だと言っても僕にとっても”害”以外の何ものでもなかった。でもこうして応援してくれる方々のおかげで、千の会場、万を超えるオンラインの皆さんに障害を越えてチャレンジできることを伝えることができたことに感動しました。
ランウェイを歩いた後舞台裏で涙がとまらず、まわりの人が心配したら益々涙が出てきてしまいました。痛みや悲しさ以外で泣いたのは初めてかも。心配させた皆様ごめんなさい。僕にできることを見つける旅の一幕でした。本当にありがとうございました”
彼にとってGTAのモットーを少しは理解することができたそんな瞬間でした。
いよいよ来月から世界小人症啓発月間を迎えます。軟骨無形成症の子と初めて出会う多くの潜在大衆に向けて私たちの挑戦を発信する、例年以上に実り多き月間になることを心から祈念しています。
末筆ながらGreen Gardenに咲き誇る花をイメージしデザインしてくださったtenboの鶴田能史さん、そして日本の世にまだDiversity InclusionやInclusiveという言葉が定着していなかった時代から先駆者として挑戦してくださった軟骨無形成症の先輩方に改めて感謝しています。
※1【帰国】Little People of America national conference 2014 ／ back to Japan – GLORY TO ACHONDROPLASIA
